寒月をかき抱く犬

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 指が二本、三本と増やされ零の中を乱していく。 「ん、もう入れろ」  もどかしいと零が瀬尾を蹴飛ばす。 「はい」  指を抜き、後ろにたちあがった瀬尾のモノを押し当てた。 「こい、瀬尾」 「はい。失礼します」  ゆっくりと零の中に瀬尾のモノを挿入していく。  中は柔らかく、深い場所までつながりあえば、胸が歓喜に震えた。 「零様……」  ぽたぽたと雫が落ち、零の腹を濡らす。 「泣くほど俺が好きか」 「……え?」  ――好き?  零が瀬尾の腕をつかみ引き寄せられる。 「ここが落ち着かないのは、そういうことだ」  と瀬尾の胸に掌を当てた。 「俺は、零様を」  零を見つめたかたまる。 「おい、瀬尾」  しっかりしろと頬をぺちぺちと叩かれた。 「え、あ」  好き。  零を意識したら、一気に顔が火照る。 「ぶはっ、お前、鈍い奴だな」 「すみません。俺、こういうの初めてなので」  有働と香月のような関係を羨ましいと感じたことがあるが、自分には無縁のものだと思っていた。 「そうか。瀬尾、俺に想いのすべてをぶつけろ。受け取ってやるから」 「零様」  嬉しい。 「受け取ってください」  腰を打ち付けて奥をせめると、零が瀬尾のモノを締め付けた。 「んぁっ、零様っ」 「好いぞ」  零の手が優しく頬を撫でる。これが好きという感情なのか。  とてもよい気分だ。零の中に欲を吐き出し、ほぅ、と息を吐く。 「まだいけるよな、瀬尾」  頬に触れていた手が後頭部に回り髪を鷲掴む。  唇が重なり、深く口づけた。
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