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わたしは零ちゃんが大キライだった。
毎日、結った髪を引っ張られたり服のポケットに石を詰められたり、わたしが泣き出せばますますいじめてきて、いつも零ちゃんから逃げ出すことばかりを考えてた。
そんなある日。
家で飼っていたインコがカゴから飛び出して、わずかに開いていた窓から外に逃げた。
空っぽになったインコのカゴ。
戻って来ない空のカゴを眺めては毎日泣いていた。
お父さんやお母さんは、いつか戻ってくるかもしれないものねって慰めてくれたけど、もしかしたら野良猫にでも食べられてしまったんじゃないかと、そう思うと涙が出て止まらなかった。
膝を抱えて踞って泣いてたら。
「これ、おまえにやるよ!」
突然、目の前に現れたのは隣の家に住んでる意地悪な零ちゃんだった。
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