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毎日、頬っぺたをつねってきて泣けば泣くほど喜んでた零ちゃん。
その開いた手にはヒヨコがいた。
「…ひ、よこ?」
零ちゃんの手がわたしの手に重なって、黄色いヒヨコの形をした柔らかいものが乗っかった。
まるで本物みたいなヒヨコ。
「これ、触ると光るんだ」
「…ほん…とだ」
触ると赤や青に光った。
もっと触ると緑や黄色に色を変えた。
「毎日泣いてばかりいたら目が溶けてなくなるぞ。いい加減に泣き止め」
「………」
嫌いだった。
いつもわたしのインコがうるさいとか言ってたから。
「これやるから我慢しろよ」
「…え…?」
「おまえが元気ないと調子狂うだろが」
零ちゃんはそっぽを向いて頭をガリガリ掻いた。
いつもの零ちゃんなら、ざまあみろって舌を出してるとこなのに。
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