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「…あり…がとう…」
「ブサイクな顔すんなよな」
零ちゃんが素っ気なくそう言って立ち上がると隣の植え込みに消えた。
零ちゃんがいなくなってからしばらくして零ちゃんのママが来た。
「あら偶然ね。ふみちゃんの持ってるヒヨコ、うちの零の持ってるものと同じ」
くすくす笑って話しかけてくれた。
零ちゃんから…もらって…」
「あら」
零ちゃんのママは嬉しそうだった。
「零ったら、だからあんなに欲しがったのね。素直じゃないんだから」
「?」
「きっとふみちゃんにあげたかったのね」
零ちゃんのママが言ってることはよくわからなかった。
でも、わたしが泣いてたから零ちゃんが元気づけようとしてくれてたのはわかった。
いつもはあんなに意地悪してばかりなのに。
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