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私の中の新しい命は、幸いにもすくすくと育ってくれていた。
まるで、私に『生きることを諦めてはダメ。』と言うように・・。
大きくなっていくお腹を見るたびに、お腹の子への愛おしさは増していった。
臨月を迎えるまで、私の世話を事細かくしてくれた母には、感謝の気持ち以外には何もない。
間もなくして、両親の付き添いで産婦人科に行き、無事に出産を終えた。
その時、彼女の泣き声を聞いた時、私はどんなことがあってもこの子を守っていこうと、改めて固く自分に誓った。
彼女は、私の大切な大切な宝物だ。
そして、家族を、セイヤがいつか帰ってこれる場所を作ってあげることが出来たんだと、心のどこかでそう思っていた。
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