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静夜が来るまでに、シチューを作らなくてはいけない。
本当は、野菜を下茹でして、鶏のささみ肉はバターで焼いてから、それらを月桂樹の葉を入れた鍋で弱火でことことと煮て、最後に牛乳とシチューの元をいれるのが私流だ。
静夜はこれを美味しいと言ってくれる。
しかし、今日は、静夜が遅れてくるとはいえ、仕込んでいる時間はない。だから、今回は下茹でも炒めるのも省いて、具材を刻ん打だけのものを鍋にぶち込んで煮込み始めた。
その間にノート型パソコンを起動して、メールを確認する。
さらに、この間にシャワーを浴びなくてはいけない。
いくらなんでも、こんなずぶ濡れでは静夜には会えない。
服を脱いで、ユニットバスのカランを捻ると、心地よい暖かさのお湯がシャワーから溢れ出る。
生き返った心地だ。
シャワーを浴び終わって、下着姿のままドライヤーで短い私の髪の毛を乾かしていたところにに、ドアベルが鳴った。
慌ててパジャマを着て、玄関の扉を開けた。
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