金浦亮平

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金浦亮平

 お気に入りの青い軽自動車に乗り込み、30分ほど運転しながら、お気に入りのポップスを聴きながら、職場に向かった。 職場のパーキングについて、お腹に力を込めて「よし!!」と言い気合いをいれる。 K市中京警察署と明記してある文字を仰ぎ見て、職場の建物に入る。 そして、階段を登り、2階にある刑事課まで足を運ぶ。 「おはようございます。」 の私の挨拶に、真っ先に反応してくれたのは、職場の先輩でもあり仕事のパートナーでもある矢内(ヤウチ)隆司(タカシ)だった。 「おはよう、黒田。」 矢内先輩の表情は、いつになく硬かった。 「今さっき、市民からの通報があった。 殺人のようだ。」 一気に気持ちが引き締まる。 「殺人、ですか?」 刑事課に配属されたものの、殺人事件なんて初めてだ。 「あぁ。そうだ。今すぐ準備しろ。」  他殺体は30代男性、金浦(カネウラ)亮平(リョウヘイ)と思われる。 本人の豪奢な邸宅の客間で、変わり果てた姿で見つかった。 情報によれば、 第1発見者は、彼の内縁の妻で、唯一この邸宅の合鍵を持っている女性だった。 客間の壁側とソファとの空間に、ソファの背面にもたれ掛かるようにして、絶命していたようだ。 私と矢内先輩は、軽自動車のパトカーに乗り込み、現地へと向かった。
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