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それから数日が経ち、セイヤの自宅マンションの家宅捜索をすることとなった。
その結果、
ベランダの隅で人目を避けるように置いてあった植物は、夏になれば、いくつもの青紫のベル形の花をつける植物。
復讐と言う花言葉を持つ、あの植物であることがわかった。
また、いくつか所持していた貯金通帳が事前に全て解約され、現金化されていることがわかった。
そして、セイヤの魂の拠り所とも言える、バイオリンはどれだけ探しても見当たらなかった。
・・セイヤはこの全てを用意していたと言うのか。
あの絶望的な方向音痴で、少し料理は出来るけど、実際には音楽以外はからきしダメなセイヤがひとりでここまでしたのか・・。
私はにわかには信じられなかった。
だが、事実が目の前にある以上、それを受け入れるしかない。
また、契約書類から、自宅マンションから少し離れた所にある、コンテナ型の貸倉庫を利用していたことがわかった。
その後、その貸倉庫内を調べることとなった。
その倉庫の中には、
車輪の小さいブラックカーボンの折り畳みの電動自転車、
クライミング用のロープ、
マイクロSDスロットのあるボイスレコーダー、
オーストリア制の連射出来る拳銃を模して作ったと思われる、小型の電動ハンドガン。
さらに、
服薬用の空のカプセル錠、
バーベキューで使う金属の長い串
そして、小型のハンマーが見つかった。
それらを見て、私の頭の中で事実の全てが繋がる。
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