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あの日シャットダウンされていなかったパソコン。
それを操作していたのはセイヤなのだろう。
私が黒崎愛関連について個人的に調べていたことを、いつからセイヤは知っていたのだろうか。
入念な手洗いは犯行後だったのだろうか。
私の家での衣服の洗濯後、それらの服には袖を通そうとはしなかった。
いや、犯行の際に上着以外に装着していた服だから、袖を通せなかったのだろう。
電動自転車のバッテリーは電源の確保から、やむなく自宅で行っていたのだろう。
小型の長方形のバッテリーは、きっと電動ハンドガンのものだ。
そして、
あの音声が記録されていたマイクロSDの音源元は、このボイスレコーダーなのだろう。
空のカプセル錠には、あの植物の成分を何らかの形で封入したのだろうか。
すべて、セイヤが入念に仕込んだものだったのだ。
さらに、防犯カメラに映っていたあの光景は、GPS信号を消すために、携帯電話自体を所持しておらず、道に迷っていたからではないのか。
絶望的な方向音痴のセイヤならありうることだ。
あの日、なかなか電話が繋がらなかったのは、そのせいなのではないか。
金浦亮平にあったあの日は、トリップパーティーの前の演奏会の打ち合わせだったのではないか。
栗田大樹に会ったあの日は、特別に訪問個人レッスンの依頼を受けたからではないのか。
通常は訪問レッスンなんてしないが、単発ながらもそれだけ実入りが良かった。
・・何よりも、セイヤにとっては、それ以外に主目的があったのだろう。
原草凌馬の時も、きっとどこかの教室の個人レッスンからセイヤは知り合い、信頼関係を作っていった。
そして、彼がどこまでそれを望んでいたは解らないが、『禁忌の施術』を引き換え条件に、捜査撹乱のための身代わりにした。
認めたくはないが・・
きっとそう言うことなのだろう。
さらに・・
一連の事件現場から採取された指紋と、セイヤの指紋が一致したこと。
それぞれの現場から採取されたDNAとセイヤの自宅から採取されたそれが一致していたことから、セイヤが犯人であると言うことは、ほぼ確定的な事実とされた。
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