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「仕返したいのはわかったから。でもこれ以上何かすればもっと遊んでもらえない」  持ち出されたはずのボクを、丁寧に草むらへ戻してくれた彼女は、そう言ってどこからともなく珠のたくさんついた何かを取り出し、ブツブツと言葉を発する。 「やだ、一人になりたくない、消えたくない」 「あなたには行くべき場所がある。次はもっと幸せになれるように、神様にお願いしておくわ」  太陽よりも暖かくてキレイで、気持ちのいい光がボクを包み込む。 「今度こそ本当にみんなに見てもらえる存在に」 『オトモダチできるかな』 「大丈夫、私が保証する」 『それは、ボク専用のお家?』 「そう。この世に存在できなくなった人専用のお家」 『やったー!』 「誰か早く助けてくれ!!」 『あの大人たちにごめんなさいって伝えてね』 「わかった」  ちらりとしか視線を向けてくれなかった彼女はまた、ボクへ向かって優しい笑顔を向けてくれた。  高く掲げられたたくさんの珠のついたそれがすっと光の道を作り出す。 「今警察と寺のもん呼んどるから頑張って耐えろ!」  周囲の大人たちが必死に空へ向かって叫ぶ。  気を失ってしまったのか、当の大人たちからの返事が聞こえなくなってしまった。 「どうか安らかに」  プツンと光が消え、唐突に風もやんだ。  ドスンと音を立て大人二人が落ちてきて、構えていたはずのカメラとマイクは粉々になってしまって、パトカーや救急車、袈裟を着た男性がやって来て、賑やかな公園になった。
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