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 少し距離があるからはっきりと見えるわけではないけれど、横になるおじいさんの周りで、悲鳴を上げた人たちが慌ただしく走り回っている。 「助けてあげないの?」  視線を戻してみると、彼女はもう興味が無いと言わんばかりにまた砂を掘り始めていた。  赤色灯を光らせた乗り物が公園のそばまで来て、おじいさんを乗せて走り去っていく。  あっという間に静かになったかと思うと、今度は五人ほどの中学生風のお兄さんたちが自転車で乗り込んできて、子どもにも負けない勢いでブランコを占領し始めた。 「へへっ一番乗り~」  我先にとブランコに乗った二人は、あっという間に高く高く漕ぎ始め、まるで空から見えない糸で引っ張られているようだった。 「やっぱり大きくなるとブランコを漕ぐのも上手だよね」  白い彼女の気を引こうと、断りもせず一緒に砂を掘る。  視界に映るお兄さんたちの事を話してみても、やっぱりあまり興味がないのかそれとも人見知りなのか、ちらりとしかこちらを見てくれない。
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