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応急処置をするおじいさんやあれこれと慌てるおばあさん。友人達は泣き出している子もいればただじっと見つめている子もいる。
そんな状況なのに、彼女はまた何事も無かったように砂を掘り四角い箱をいくつも作り始める。
二度目の白と赤の目立つ車が公園に横付けされ、あっという間に運ばれていってしまって、残された友人達が静かに公園から出て行き、お年寄り達もいなくなってしまって、ボクは彼女と二人きりになった。
さくさくと砂を掘る音が響く。
「ボクも一緒に遊んでいい?」
沈黙に耐えられなくて、もう一度声をかけてみるも、彼女はやはり何も言わなくて、チラリとこちらを見るだけ。
何もそこまで意地にならなくったっていいじゃないか。
ついそんな言葉を吐き出してしまいそうになったけれど、もしかすると物凄く人見知りなのかもしれないと思い、返事も待たずに同じように四角い箱をかたどってみた。
「ほら、ボクも上手く作れるよ?」
「ここが事故現場です」
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