秋風に吹かれて

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スーパーの帰りに保育所に寄って、悠李と雪花を迎えに行った。 「あ、悠くんママ、こんばんは~~」 園の入り口で、隼人くんママがにこやかに手をあげた。 「こんばんは~ 隼人くん、いつも悠李と遊んでくれてありがとうね」 ママと手をつないだ隼人くんに話しかけた。 「今日ね、悠くんとじゃんけん列車した」 少し人見知りの隼人くんは、小さな声でたどたどしく教えてくれた。 「そう、楽しかった? 悠李、隼人くんと遊ぶのいつも楽しみにしてるのよ」 恥ずかしそうに微笑んで、ママの後ろに隠れた隼人くんが可愛らしかった。 「松田さん、悠くんのパパが迎えに来ていたけど、知っているのよね?」 隼人くんママが少し声のトーンを落として言った。 「えっ、、う、うそ!」 園の中を見ると、玄関で靴をはいているよその子とお母さんが立っていて、少し離れたその隣に間違いなく潤一が立っていた。 ど、どうして ⁉︎ ロスにいるんじゃなかったの? なぜ帰ってきたの?
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