秋風に吹かれて

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**潤一** 彩矢と離婚した後、ジェニファーと一緒に暮らしていたが、入籍はまだしていなかった。 ユタ州に住んでいる母親が、産後のジェニファーを心配してやって来た。 自由で気ままなジェニファーとは違う厳格な母親は、アパートに着くなり婚姻届のほうはどうなっているのかと、キツい視線を俺に向けた。 彩矢とはすでに離婚もしていて、産まれた子が俺の子だと証明された今、結婚を拒否する理由は見当たらない。 彩矢に未練がないわけではなかったが、確かに俺にはジェニファーのような女が向いているような気もした。 家庭を顧みず、仕事に没頭していようとも、ジェニファーなら自分の人生を好きなように、気ままに生きられるのではないか。 元々、シングルマザーでも良いと言っていたくらいだ。 身勝手な俺になど期待することもなく、息子と楽しく暮らしてくれることだろう。
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