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「松田先生、なにか戦略でも練っているのかな? 余程のことがないと親権は簡単に覆せるものではないと思うけど、子供の気持ちは無視できないからな」
「そうなの。私、悠李にはずっと我慢ばかりさせてたの。頼りない母親だったから」
「彩矢ちゃんは十分頑張ってきたよ。悠李だってわかってるはずだし、とてもいい子に育ってる。もっと自分を褒めたほうがいいよ」
「……あ、ありがとう」
こんなこと、初めて言われた。
こんな優しい一言で、随分と気が楽になるものだ。
子供の悩みや相談など、今まで誰にも相談できなかった。
母に打ち明けても否定的な意見が多くて、余計に落ち込んだ。
夫の愛と支えが、子育てにおいてはとても大切なものだと身にしみて思う。
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