秋風に吹かれて

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「今、法律事務所へ寄って来たの……」 悲しげにポツリと呟く。 「そ、そうか、それで、……それでどうだったんだい? 」 顔が引きつって、判決を言い渡される被告のようにみえた。 「あとで話すね」 「わかった。おなか空いてるだろう。なにが食べたい?」 そわそわと落ち着きなく、気弱なそぶりに少し気が咎めた。 「遼くんは夕食すませたんでしょう? わたし食欲がないから食べなくていい」 「で、でも、、じゃあ、どこで話を聞いたらいいかな? ファミレスなんかでもいい?」 「静かなところがいいわ。遼くんのアパートでもいい?」 「……わかった」
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