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アパートへ行くのは本当に久しぶり。
沙織さんが自殺未遂をして以来だから、もう三ヶ月はたっている。
母には仕事帰り、法律事務所に寄ってくるので遅れると連絡を入れておいた。
重苦しい空気をただよわせたまま、車はアパートへと向かった。
言葉なく、沈鬱なようすで運転している遼くんを見ていたら、少し笑い出したくなった。
つい微笑んでしまいそうになり、慌てて外の景色に目をやった。
色んなことがあったけど、今年もあっという間に終わりそう。
もう十月だなんて、本当に早い……。
オレンジ色の実をつけた、街路樹のナナカマドの葉が赤みを帯びていた。
道行く人たちもトレンチコートや、厚手のジャケットなどを着込んで、すっかり秋色のファッションに染まっている。
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