ドミノ倒し

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ドミノ倒し

 ドミノってしってるよね。  一つが倒れてしまえば、全て倒れてしまう。  まるで、僕の人生みたいにね?  兄さんは、ある日誰かに呼ばれて……二度と、帰って来なかった。  心配になって、僕は家を飛び出した。そしたら、見たのは兄さんの死体が晒されている所。僕は叫んだよ。何故だって。どうして、こんな事を……。  アイツらは、笑って言った。 こいつが、バケモノを庇っていたからこの街の近くの泉が枯れたんだって。  そして、無理矢理僕を連れていった。  広場に着くと、僕を刺した。ナイフでブスッと。  刺されまくって、痛くて泣いて。しばらくしたら、アイツらはどっか行った。  僕の意識は既に無かったけど、まだ感情だけはあったんだ。不思議だろ?意識がないのに、心はあるなんて。  僕の心はこうだったなぁ。  殺意七割。憎しみ二割。悲しみ一割。  街の人達、全員に憎しみを持ったが、それ以上の殺意だったね。きっと、それが僕を本当のバケモノに変えたんだ。  何故か意識が戻ると、全身血だらけのまま武器を奪った。ああ、トドメを刺そうと戻ってきたからね。  そして、瞬く間に広場は血の海。悲鳴と血飛沫しか見えなかったなぁ。  男女老若関係無しに、殺しまくった。もう、自分が何をしているのかすら分からなくなっちゃってね。ひたすらにやったよ。  そこからは覚えてない。街の人を全員殺したのは確かだけど。  うん。そうだよ。  そこから、僕は正体不明の殺人鬼。  そして、今君を殺そうとしている奴だよ。  ふふっ。  怖がる必要はない。  だって、もう死ぬだけなんだから。  人にバカにされながら。苦しみながら生きる必要なんて、もう無いんだからさ————  なに?僕の願い?そんな事聞いて何になる。まぁ、いいよ。言ってあげる。  そうだね……。
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