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バケモノ
お前はバケモノ。
そんな見た目で近づくな。
汚れた奴。
……降り掛かる言葉の数々。
紫の髪に白目が黒く、瞳は桃色。
伸びきった髪は汚れだらけだ。
たしかに、こんな見た目ではバケモノと言われても仕方ないだろう。
だが……。
それでも、僕と一緒にいてくれた人が居たんだ。まぁ、街の奴らに八つ裂きにされて死んだけど。お前がアイツを庇っていたから厄災が降り掛かったんだってね。
聞きたいかい?いいよ。話してあげよう。
これは、たしか僕が十三歳だったかな。
親には産まれてすぐ捨てられた。
それを拾って育てたのが僕の六歳年上の兄さん。誠。あ、兄弟じゃないよ。
え?僕の名前?そんなの忘れたよ。数百年は前の話だからね。
で、その時兄さんは殺された。僕が十三の時ね。
さっきも言った通り、八つ裂きにされて……ね。
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