可愛いシモベ

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零ちゃんはわたしのことがキライ。 グズでノロマで、人並みにできることなんてないわたしにいつも意地悪だった。 だけど、本当は誰よりも優しいのを知ってる。わたしがイジメに遭ってた時に助けてくれた。 その時から、わたしは零ちゃんのことが大好きで…… 「あら!とっても可愛いじゃないの、ふみちゃん♪」 俯きかけたわたしに可愛いと言ってくれたのは、零ちゃんの後ろから顔を出した零ちゃんママだった。 「ふみちゃんその制服似合うわよ~♪あ、写真撮らなきゃ♪」 「バカかよ、こいつのどこが可愛いんだよ」 「やーね、全部よ♪」 零ちゃんが額に青筋を立ててる。 不機嫌だった零ちゃんがもっと怒ったような顔になった。 「零ちゃん……明日から学校よろしくお願いします」 頭を下げると零ちゃんはそっぽを向いた。 「仕方ねえから面倒みてやるよ」 態度は冷たいけどやっぱり零ちゃんは優しかった―――
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