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階段上から降ろされた。
「おまえ、その下着」
えっ、普通にスカートの下はパンツ……
「いいから来い!」
引っ張られてみんなが驚く中を抜けてく。
「ど、どうしたの、零ちゃん?」
端まで来て、零ちゃんが怖い表情で顔の横の壁をバンと叩いた。
「以前にも言ったよな、スカートが短すぎる。ガキくさいパンツ見せるなと」
怒ってる。
「誰が、透けそうなパンツを穿けって言った?せめて穿くなら見えてもいいパンツが常識だろうが」
びくっとしたわたしに零ちゃんがブレザーを脱いで、バサッと頭の上に掛けた。
「着てろ」
「え、でも」
「いいから着ろ。それを着てればスカートの中までは見えない」
零ちゃんは白シャツ姿のまま歩いて行ってしまった。
ブカブカの零ちゃんの制服。
零ちゃんのいい香りがわたしを包み込んだ。
「零ちゃん、やっぱり優しいね」
そんな零ちゃんだから好きでたまらない。
いつかシモベでなくて、ひとりの女の子として見てくれたらいいな。
わたしは零ちゃんの掛けてくれたブレザーを握りしめた───
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