【女性向け台本】不安定な彼女 【R15】

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「ただいま、ちょっと遅くなっちゃったごめんね」 あれ…?どこに行ったのかな いつもなら玄関までおかえりを言いにきてくれるはずなのに。おかしいな。 「そんなにうずくまってどうしたの?」 部屋のベットで毛布にうずくまっているのに気がつく。 「ほら、こっちおいで 来ないから僕(俺)から行くよ? ほら、ぎゅー」 何やら様子のおかしい彼女を優しく抱きしめる。 そうするとか弱い力で自分も抱きしめられる。あまり力を入れないのは遠慮しているのだろう。 「もっと強く、爪たてて」 そんな彼女に耳元でそう囁く そうすると先程よりも彼女の腕に力が入る。 「もっといいよ、大丈夫だから」 安心させるように優しく話しかける。 そうしているうちに彼女は少し落ち着いた様子を見せる。 「よしよし、何かあったのか?」 頭を撫でながらそう問かける。 だが、彼女は何も言いたくないのか頭をぐりぐりとされる。 「そっか、いいよ言わなくて、ちょっとこうしてよっか」 無理に問いつめるようなことはせずに、優しく抱きしめたまま頭を撫で続ける。 「ちょっとは落ち着いたかな?」 様子を確認しようと顔を覗き込むと、彼女の目にはうっすら涙が浮かんでいた。 それから彼女は無言のまま手首を差し出してくる。 「したいの?」 こうなった時の彼女への対応は決まっている。だが、確認の意味で問いかけるとこくんと頷く。 「ちょっと待ってね」 そう言い、引き出しからカッターを取り出し 彼女の元に持っていく。 「おまたせ、じゃあ今日も後ろからぎゅーしながらしよっか」 カッターを渡して彼女の後ろにまわる 「いいよ、いつでも、したいときにしていいよ」 後ろから抱きしめながら耳元で囁く そうすると彼女のかぼそい腕にカッターがあてがわれる。 「よしよし、がんばったね、いいこだね」 それから彼女の腕には赤い線が描かれていく。 「じゃあ腕かして」 彼女の腕を掴み、自分の口元に持っていく そして躊躇することも無くその傷口に舌をそらせる。 「おいしいよ」 そう言いながら流れ出してくる液体を飲み干すと、彼女は少し息を荒らげている様子だった。 そのまま顔を自分に向けさせてキスをする。 「ほら、味わかる?」 だんだんと舌を絡め、お互いの体が熱くなっていく。 「生きててえらいよ、生きてるだけで十分だから」 そう言いながら、口から首元に顔を移動させ、優しくマーキングをする。 「また血でてきてるね」 先ほど舐めた傷口に血が滲んで来ていることに気が付き、再び丁寧に舐める。 「1回手当だけしちゃおうか」 いつものように慣れた手つきで傷口を処置していく。 「がんばったね、えらいね」 処置が終わると向きを変え(前から)優しく抱きしめる。 「いいんだよ嫌な事何も考えなくて、僕(俺)が守ってあげるから」 彼女も落ち着いたようで、ありがとうとお礼を言ってくる。少し涙が流れていた。 「だけど、こうなる前にさ もっと頼っていいんだよ、受け止めるから 離れたりなんて絶対しないから」 目をしっかりと見ながら、彼女に言う。 「でも、いっぱいがんばって我慢してたんだよね、ごめん気がついてやれなくて」 彼女の涙を拭いながら謝る。 「それでもこれからもずっと一緒にいたいんだ。だからこんな僕(俺)でもそばにいていいかな」 そう問いかけると、今度はちゃんと顔をみて頷いてくれた。 「ありがとう、これからも一緒にいようね」
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