すがたかたちがかわっても

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 中学を卒業して、自分は進学校に、あの子は定時制の学校に入学した。早くお金を貯めて家を出たい彼女は、学校に行きながらアルバイトをしている。定時制には色々な人がいて、中学のしがらみがまるでウソのようだと笑っていた。自分たちは学校は違うけど、時々一緒に遊んでいる。あの子の手を引きながら、あの公園の前を通った。遊具の中は、あれ以来覗いていない。 「ここにいた人たちに、あの時のことを相談したんだ」 「ここにいた人たち? それってホームレス?」 「そうなのかなあ。もしかしたら、そうだったかも」  自分はあの時のことを思い出しながら、怪物と彼女のことを話した。きっとそれ、ストレスで幻を見たんだよ、とあの子は笑い飛ばすだろう。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加