21人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
一日の中の一瞬
帰ろうと廊下に出た途端
目の前を先生が通った
先生は携帯いじるのに真剣で
私のことに気づいてなかった
時計を見たら18:15
朝、少し弱気なメールを送ってから返信が来なかったのは
めんどくさかったからかな
携帯を開いていても
私には返事くれないんだな
なんだか胸が締め付けられるように痛む
考えないようにはしていても
少しだけ涙が溢れた
家に帰って携帯をカバンから取り出す
すると
先生から返信が来ていた
『どうしました?!』
時間を見ると18:14
もしかして先生...
まさにあの時、私に返信くれてたんだ
廊下を急ぎ足で歩きながら
私のことを思い出してくれてた
すれ違ったあの瞬間が
先生の中に私がいた瞬間
その一瞬をこの目で見れただけで
さっきまでの悲しい1日が
幸せな1日になってしまった
最初のコメントを投稿しよう！