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追い出されるようにして親戚の家を出たので、旅の知識もなく荷物もなく、ほとんど着の身着のままでした。
ですが、時折親切な人の家に世話になり、少しずつ乾飯だの新しい草鞋だの必要なものを揃えていきました。
猟師のじい様の家なんかでは、干し肉を出してもらえた上、どんな場所で寝れば獣に襲われにくいか、水場を見つけるにはどうすればいいかなどを教えてもらい、大変助かりました。
しかし、どの家でも一夜を明かすことはありませんでした。
夜眠るときは朝まで火を焚いていました。いつ獣や盗賊に襲われやしないかと恐ろしかったのです。
更に、朝方になると耐えがたい睡魔がやってきて、不思議なものたちの世界に引きずり込んでいくのです。
私はとても疲れていました。
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