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朝日が昇る頃、私の家は大騒ぎになりました。
月がどんどん欠けていった、恐ろしかった
剥げ落ちたものが床をびっしり埋め尽くして気味が悪かった、
そもそもこの家から月が見えるはずない、どういうことだ
といった具合で、まるでこの世の終わりが来たように真っ青な顔で捲したてるのです。
私は家族も自分と同じものを見たことに驚き、また嬉しく思いました。
そして、あんなにも美しい光景を恐ろしいものとして捉えていることに衝撃を受け、悲しくなりました。
やっと私の見ているものが理解してもらえると思ったのに。
思わず私は言ってしまったのです。
ーーーどうして
と。
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