眠りにつく俺の話

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 見えない空気を読めと言われて。  頑張ったけどやっぱ読めなくて。  企画会議に疲れてふらふらと横断歩道を渡っていたら、体が宙に浮いた、気がした。  そのまま、記憶が途切れた。  赤信号で渡ってしまったのだろうか。  信号無視の暴走車に跳ね飛ばされたか。  虚ろな脳内でぼんやりと考える。  目が覚めたら病院の集中治療室。  もしくは見知らぬ場所に居て、神様が話しかけてくる。事故死した俺は異世界に転生した。新たな人生を歩み始めるのだ。  …………なんてね。  怪我、酷くないといいな。  ああ。誰かが呼びかけている。  女性の看護師さんで、できれば可愛い感じの人がいいな。男性だったら、優しい看護、よろしくね。 「ありがとう」  誰かがお礼を言った。  集中治療室に似つかわしくない言葉だな。  俺の体がふわりと浮いた。  ──ん?
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