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修一が抱きしめると葵は修一の腕の中でふにゃりと笑った。
物凄く可愛い……。
この愛らしい葵を腕に抱きながら手を出せないなど、本当に何かの精神修行のようだ。
試されている…。
俺の理性が今、試されているんだ。
自分自身が勃ちあがらないように修一は頭の中で難解な数式を思い浮かべる。
うっかり淫らな妄想をしないよう、修一は朝まで自分と戦い続け明け方になってようやく眠りについた。
よく寝た。
嫌な夢も見ないでぐっすり眠れたな。
葵が気分よく目を開けると、目の前に修一の顔があって驚いた。
修一はすぅすぅと寝息を立てて眠っており、自分がまた修一に抱きしめられているのだと分かると急激に恥ずかしさが込み上げる。
何でだろう。
早瀬さんと一緒に寝るとあの夢を見ないんだけど…。
しかし改めて寝顔を見ても本当にかっこいい人だ。見た目も良くてお金もあって優しい。
こんな完璧な人が何故僕なんかに構ってくれるのだろう。
酔って倒れていた早瀬さんを助けたと言っても、もう十分お返ししてもらったと思うのに。
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