my sister

いったい何の要件があってこの部屋に来たのだろうか。
まあいいや。それより、さすがに勉強しないとやばい気がしてきた。
数学の問題集を引っ張り出し、机に向かう。

ガチャ、とふいにドアが開く。
驚いた拍子に椅子から転がり落ちる。
「いったぁ……。もー、入るときはノックしてって言ってるじゃん」
「ごめんごめん。それよりさ、明日、お姉ちゃんが帰ってくるから部屋片付けといてよね」
ん？お姉ちゃんが……帰ってくる？てか、明日？？
じゃ、そういうことだから、とフェードアウトする母。
私は何を考えることも出来なくて、ただ母が閉めていったドアを眺めていることしか出来なかった。