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天井の高い室内は、二人分の荒い呼吸音に満ちていた。
高級で頑丈なベッドは、大人の男二人が乗って激しく動いても、軋む音は聞こえない。
壮吾は口から洩れる嬌声の合間に、自分を穿つ男に言った。
「はっ犯人は……、おまえに、文句垂れてた、おっさんだと思ったのにっ……アッ……」
「君のっ、予想が、当たったことなどっ、過去に一度だって、あったかいっ」
刻は壮吾の両足を高く抱え直し、さらに深く突いてくる。
壮吾の口から、いっそう高くなった喘ぎ声が漏れる。
「あっ、やっ、アッ、あぁ、あっ」
壮吾は既に一度達しているが、二度目の波が近づいていた。しかし、刻はまだ一度も達していない。
刻の腰の動きは荒いが、一方で口元に余裕の笑みを湛えている。ヘーゼルの薄い瞳の中に僅かな欲が垣間見えるだけ。
壮吾だけが乱れ、官能に追い込まれる。けれど自分ではどうしようもない。
「あ……くる、また、はっ、あっ、あぁ……」
刻は激しく腰を打ち付け、確実に壮吾の弱い場所を容赦なく攻め立てる。
壮吾は、甘ったるい声で刻の名前を呼んでしまいそうになるのを堪え、両瞼にギュッと力を込める。
自分たちは恋人同士じゃない、勘違いするな、と。
穿たれている場所と同じように、深い口付けも欲しくて、刻の彫刻のように美しいラインの頬に手を伸ばしてしまいそうになる。
――身体だけ……この熱だけでいいんだ……心はなくてもいい……
壮吾は刻に抱かれるたび、毎回自分に言い聞かせるのに必死だった。
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