不時着

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 どれぐらい意識を失っていたのか。  でも、それほど長い時間では無かったらしい。  目を覚ますと、機体はまだ落下している最中だった。 「クソ、こんなところで死んでたまるか」  私は操縦桿を握り、外の様子を把握しようとモニターに目を向けた。  絶望はすぐ目の前にあった。  真っ白な山がすぐそこに迫っていたのだ。  白くうねる山肌を前に最早回避すら間に合わない。  私は目を閉じて最期の時を待った。
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