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プロローグ
ーー今年でアタシも27になる。
彼と出会って12年目。干支も一周した。
中3の受験前、その頃、付き合ってた彼氏が友達だと思ってた子と浮気して泣いていたアタシを後ろから抱きしめ、慰めてくれたーーー
その彼の名前はーーーー
宮脇康文。
中3から通い始めた近所の塾で社会を教えてくれた先生が彼だった。
初めはアタシの片思い。というかただ憧れの存在というだけだった。ありがちな話。
4歳しか変わらないのに、その年頃の4歳はめちゃくちゃ大人に見えた。
それでその頃、学校でわりと人気者で仲も良かった同級生(石橋暢)に告られ付き合い始めたけど…受験前にフラれて塾で思わず泣いてしまった。
そんなアタシをそっと抱きしめてくれた先生。
そして塾最後の卒業旅行でアタシから告白して始まった交際。
決して忘れることのできない名前。
なのに神様はどうしてこんなにも残酷な運命を私達に課すのだろう。
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