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大学の進路のことでわっちゃんに本気でぶつかってみた。それまでも何回か言ってみた時もあまりいい顔しなかったけど、その日は特に喧嘩腰になった二人だった。
「なんでわざわざ東京まで行かないけんと!」
「福岡でもできるやろ!」
「奏は俺と離れたいと!?」
両肩を痛いくらい強く掴んでアタシを睨んだ。
「痛かやん!」
「離れとおなかに決まっとおやん!」
「なんでそげんこと言うと!」
「アニメーターになりたいって…」
「前から何回もそう言ってたよね」
あなたの手を激しく振り払ったアタシ。
「それにわっちゃんも…」
「アタシの夢、応援してあげるって」
「言ったよ、ああ、言ったよ」
「今だってそう思っとおよ」
「なら」
「でも!」
さらに大きな声で被せたあの日のあなた。
「でも!なんで東京なん!?」
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