「登場人物紹介」

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「登場人物紹介」

※ 注意 ……『新開』シリーズをお読みいただいている皆様向けに、情報を整理していただく目的で掲載しています。ご新規様がこのページから読み始めると、他の作品のネタバレになってしまうことを十分にご留意ください。読み飛ばして下さっても、本編は問題なくお読みいただけます。 ・「新開水留(しんかいみとめ)」  三十歳。警視庁公安部・広域超事象諜報課、通称『チョウジ』の臨時職員。及び、拝み屋衆『天正堂(てんしょうどう)・三神派』に所属する霊能力者。この世ならざる者を知覚し、肉眼ではっきりと捉えることが出来る他、亡くなった母「依子(よりこ)」の霊を呼び寄せ、『霊穴』と呼ばれる幽体の通り道を開く事が出来る。あるいは新開の身に危険が迫った時、よりこ自らが霊穴をこじ開けて戻って来る。かの黒井一族の末裔としては、男子唯一の生き残り。 (参考資料『文乃』) ・「三神三歳(みかみさんさい)」  六十五歳。『天正堂・三神派』の看板をかかげる呪い師。祈祷師。拝み屋。短く刈り上げた銀髪とMA-1ジャケットがトレードマーク。かつては天正堂・階位第三という、現場最高責任者としての称号を授かる程力のある霊能者だったが、わけあって本部団体を出奔し、現在はフリーランスで活動を続けている。とある切っ掛けで知り合った「U」という謎の女性が原因で、正体不明の呪いを受けた。呪いの種類、理由など一切が謎のまま。 (参考資料『レインメーカー』) ・「秋月六花(あきづきろっか)」  実年齢不詳。自称、四十代。かつては天正堂、チョウジ、そのどちらにも所属した経歴をもつ霊能力者。現代最強の治癒者と呼ばれ、その力は魔女とあだ名される程。天正堂における階位は、第六。他者だけでなく自身の受けた肉体的損傷をも完全修復出来る能力を持ち、その力を用いて常に美貌を保持し続けている。新開と同じく黒井一族の末裔。今回、相談をもちかけて来た新開の妻、希璃(きり)の体内に呪いの残滓のようなものが巣食っていることに気づき、意気込んで透視したまでは良かったが……。 (参考資料『しもつげむら』) ・「新開希璃(シンカイキリ)」  三十一歳。旧姓、辺見。新開の大学の先輩で、現在は妻。夫との間に娘の成留(なる)をもうけた。今でも夫からは「先輩」と呼ばれ、彼女も夫のことを「新開くん」と呼ぶ。霊感持ちだが、秋月六花いわく霊媒体質であるため霊障を受けやすい。かつて幼い頃、山の斜面に建設され『崖団地』と揶揄された集合住宅を擁する、『美晴台』という土地に住んでいた。そこで出会った通称『御曲(おまが)りさん』=「アマハラシュウサク」という名の男の夢を、最近になって見始めたと言うのだが……。 (参考資料『トーメンター』) ・「秋月めい」  二十六歳。都内出版社に勤めるOL。秋月六花の妹だが、血縁関係はない。子供の頃に両親から虐待を受け、紆余曲折あって六花に引き取られる。めいもまた強い霊能力を有しており、遠く離れた場所にいる人間の話し声が聞こえる。『超聴力』と呼ばれ、この世ならざる者の声すら聞いてしまうという。職場の先輩である正脇(マサワキ)姉妹の姉、A子から得体の知れない呪いを受けるも、偶然出くわした新開の娘・成留によって体外へ取り除かれる。呪力はA子へと跳ね返り、その日の夕刻、A子は首をもがれて入院先での死亡が確認された。 (参考資料『クライン』) ・「坂東美千流(ばんどうみちる)」  通称・バンビ。四十五歳。警視庁公安部『広域超事象諜報課』に所属する霊能職員、肩書は室長。ぴっちりと綺麗に撫でつけた七三分けの髪型と、フレームの細い眼鏡がトレードマーク。人相も口調もすこぶる悪いが霊能者としての実力は高く、男前。額に『幽眼』と呼ばれる第三の眼を持ち、熱線を撃つことが出来る。が、職務中起きた事件によりこれまでに二度、死んでいる。一度目は当時の上司を亡き者にした強力な呪いに因り、自身の命も絡めとられた。二十年以上の月日が流れた今頃になって、あの時の事件を匂わせる注意喚起を恩師から受け取ったのだが……。 (参考資料『ポーラー』) ・「二神七権(ふたがみしちけん)」  九十歳を超えた老人、正確な年齢は不明。個人・団体を問わず依頼者の吉凶を占い、身辺で起こる霊的障害から守護・浄化へと導くプロの拝み屋集団『天正堂』の頂点にして、生ける伝説。天正堂の階位は、第二。かつては生まれ持った二つの眼の他に、強力な霊能力を内包した五つの眼を所持し、それらを『七権』と称して圧倒的な強さで団体を率いていた。だが、ある事件をきっかけに『七権』の内ひとつを坂東美千流に、そしてもうひとつを、その後の事件で命の危険にさらされた三神幻子に分け与えた。長命と若々しさを誇る『柊木家』の出身ながら、ここ数年衰え始めたと噂されている。普段は己の霊力を高める為に屋敷から外へは出ないが、吹きすさぶ風に不穏な音を聞き、下界へと降り立った。 (参考資料『ポーラー』) ・「三神幻子(みかみまぼろし)」  二十八歳。天正堂・三神派のエース。通称『神の子』。幼少期から強い霊力を発現しており、気味悪がった両親から天正堂へと預けられる。その後、三神三歳の娘として引き取られた。『遠視(とおみ)』と呼ばれる千里眼を持ち、予知夢を見る。その他『生霊飛ばし』『呪を打つ・打ち返す』『電波干渉』『その目で見た他人の霊力を借り受ける』などさまざまな霊能力を駆使する現代最高峰の霊能者。十代から拝み屋として数々の難事件に関わって来たが、ここ数年は拠点を海外に移していた。このたび、新開から父である三神三歳の危機を知らされ帰国。電車移動の最中にうたた寝で見た夢と、偶然知り合ったチョウジ職員にかけられた呪いから『御曲りさん』の気配を感じ取るのだが……。 (参考資料『アビゲイル』) ・「残間京(ざんまけい)」  二十四歳。都内某所にある書店『BOOKS アーミテージ』に勤務する書店員。霊感があり、客として度々来店していた新開の背後に立つ「よりこ」の姿を目撃していた。だが観察していたのは新開の方であり、残間の背後に正体不明の『悪霊』が憑いている事を知らせてくる。事情を理解せぬまま新開の誘いに応じて訪れた喫茶店にて、あえなく死亡。が、搬送先の病院にて蘇る。復活の原因、とり憑いていた悪霊の正体、その理由など、謎な点が多い。(参考資料『アーミテージ』) ・「U」  三十代半ばの女性。本名、現在の消息は不明。数年前から続く体調不良を、偶然知り合った三神三歳に相談。此度の一連の事件において、時系列で言えばもっとも早い段階で霊障の表れていたとされる被害者。あるいは、見方によっては加害者ともなりえる存在。 (参考資料『レインメーカー』) ・「正脇(まさわき)姉妹」  姉である茜(=A子)は謎の霊障によって壮絶な死を迎えた。出版社勤務である妹の汐莉(=S)は、秋月めいの職場の先輩であり、相談者。 ・「柊木青葉(ひいらぎあおば)」  二神七権の孫。三神三歳の元妻。年齢は五十代だが、見た目は三十代。目立った霊能力はないが、柊木家の例に漏れず若々しい。三神三歳に迫る危機についても把握しており、幻子の行く末を憂い胸を痛めている。 ・「斑鳩千尋(いかるがちひろ)」  『広域超事象諜報課』の若き職員。正体不明の呪いを受けるが、三神幻子の咄嗟の機転により一命を取り留め、現在隔離入院中。呪いによる霊障は元を断たない限り必ず戻ってくるため、予断を許さない状況。 ・「有紀優(ゆうきまさる)」  『広域超事象諜報課』の職員。坂東と同年代のベテラン。斑鳩とともに三神幻子へと接触するが、斑鳩には何故か「馬淵」という名で呼ばれ、別人として認識されていた。 ・「中之島亜弓(なかのしまあゆみ)」  元『広域超事象諜報課』職員。坂東美千流がまだ二十代だった頃、霊障事件捜査中に謎の呪いを食らって命を落とした。 ・「井垣哉子(いがきやこ)」  三十歳。『広域超事象諜報課』の女性職員。後の、柊木夜行(ひいらぎやこう)。 ・「蔡志明(ツァイヂーミン)・『クロード・ツァイ』」  二十九歳。由緒ある台湾出身の霊能者。三神幻子が海外で仕事をする際に助手を自ら買って出てくれる、心根の優しい青年。 ・「小原桔梗(おばらききょう)」  五十九歳。天正堂本部団体所属の拝み屋、呪い師。階位・第四の実力者。 ・「土井零落(どいれいらく)」  本名、年齢不詳。天正堂階位・第五の称号を持つ拝み屋、呪い師。男性であること以外誰もその正体を知らないとされ、『存在しない男』と呼ばれている。 ・「穂村直政(ほむらなおまさ)」  二十七歳。穂村兄弟、兄。天正堂所属の霊能者。荒くれ者。 ・「穂村光政(ほむらみつまさ)」  二十五歳。穂村兄弟、弟。天正堂所属の霊能者。荒くれ者。 ・「戸川(とがわ)まみか(旧姓・穂村)」  二十四歳。穂村兄弟の妹。結婚して今は戸川性。残間京の友人。 ・「椎名(しいな)ルチア」  三十歳。元バンドマン、通称『ビスケ』。現在は都内某所にあるライブハウス『ニッケルフロア』のオーナー。残間京、穂村まみかの友人。 ・「柳菊絵(やなぎきくえ)」  八十歳。『美晴台』に暮らす、柳家の主。 ・「柳奈緒子(やなごなおこ)」  十八歳、高校生。菊絵の孫。 ・「三島要次(みしまようじ)」  八十一歳。『美晴台』にある崖団地の管理人。地方出身の元刑事。十六年前まで当団地に住んでいた新開のことを覚えていた。 ・「入院中の少女」  秋月めいが訪れた、正脇姉妹の姉A子の入院する病院で出会った不思議な少女。夜毎発作を起こしていたA子の惨状を目撃したらしく、早急に転院した方が良いとめいに忠告して来た。年齢、名前などは一切不明だが、完成された美しさを持った少女であるたという。 ・「黒井七永(くろいななえ)」  十代の少女と妙齢の女性、二つの見た目をもつ。本名、年齢、その他一切が謎に包まれた大霊能者。齢600歳を超えるという説もある。行使する主な力は『幻覚』。現役最強の呼び声高い霊能者・三神幻子、二神七権をもってしても全く歯が立たなかった。『能動的な感情を持たない災厄の塊』と称されていたが、その背景には自分に不死の呪いをかけた天正堂開祖・大神鹿目(おおがみかなめ)への深い恨みが隠されていた。十年前、西荻文乃とともに新開水留の開いた霊穴へと落ちた。(参考資料『かなしみの子』) ・「西荻文乃(にしおぎふみの)」  真実をひた隠し、都内でマンション管理人をしていた霊能者。小柄で、見た目は二十四歳の美人。黒井七永の姉であり、今尚連綿と受け継がれる大霊能力家系『黒井一族』の始祖であると言われている。大気を操作する力を持ち、不死である自らの命を他者へ分け与えることが出来た。十年前、心肺停止に陥った坂東美千流、柊木青葉にその命を分け与え、暴走する妹・七永を止めるために新開の開いた霊穴へと自らの意志で落ちた。存命中は、チョウジの作成した『霊能力者で形成されるヒエラルキー』の頂点に君臨していた。(参考資料『文乃』)     
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