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その日ちゃんと言いつけを守って、6時にいつもの場所に来た。ーー私偉い!!
と、自分を甘やかすのも忘れない。私が私も甘やかさないで、誰が私を甘やかすのだ!
因みに目から出て来た塩水は無視する。
いつもの場所とは、公園だ、前に人気の無いが付く。私が住んでいる所から遠すぎず短すぎず…?ついでに今は10月なので割と暖かい。
「あ、良かった、ちゃんと来た。」
全く、信頼感のないやつだと。一緒に10年…11年?のバディを組んでたというのに…
「はい、来ましたよー」
「アンタさぁー…全く返事が軽いね」
すると、黒はいきなり雰囲気を変えた。
「単刀直入に聞くね、何で暗殺者を辞めた?」
その言葉に私は眼を細める
「私にそれを言うメリットは?裏切り者に聞かれる覚えは無いけど?」
そう、裏切り者。彼は2年前に私を裏切った。
今現在17歳の私は、15歳のとき任務遂行中に溺死しかけた私を見捨て、そのまま今日まで私が彼の姿を見る事は無かった。
でも、恨んではいない。ショックじゃ無かったと言うと見栄を貼り過ぎだが、絶望したか?と聞かれると否と答える。あそこで助かる見込みは少なかったし、あの場合私だって見捨てだろう。
悲劇のヒロイン面するつもりは一切無い
「そうだね。俺がアンタを裏切ったことは紛れもない事実だ。言い訳はしない。それでも、俺は知りたい、アンタが暗殺者をやめた本当の訳を、それならアンタの夢とか全部叶える」
「…何で、そこまでして知りたいのか分からないけど、美味しい話だから乗るわ。情報交換しよう。私は、暗殺者を辞めた理由を話す。貴方には後で色々聞くから」
「うん、それで良い。」
「話すと長くなるけどーー」
黒に裏切られた後、私は、持ち前の回復力で一命を取り留めた。依頼主からは何てヘマをしてくれたんだと殴られたが、さして重要な事ではない。
それから、転々と仕事をこなしていった。業界ではかなり有名になっていたので仕事が途切れる事は無く、それなり…いやかなりの良い生活を送っていた。そもそも殺しは一回に付き支払れる額が大きい。その気になれば大豪邸ダツテ3つくらい建てられただろう。
そんな甘美な生活を手放したのは、私の見た少女漫画に影響されたからだ。
「えっ?」
急に口を挟まれ、私は、半目で黒を睨む
「何?」
「少女漫画が原因なの?」
「当たり前でしょ!!私だって、恋愛したかったの!!良いじゃん、別に!」
口を膨らませる。何が行けないというのだ。少女漫画素晴らしいじゃないか
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