終息

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目が覚めて鏡を見たら髪が真っ白になっていた。久しぶりに自分の顔を見た。痩せて目に生気がない。皺に白髪に苦難が滲み出ている。無理もない。何しろ昨日までゾンビ退治をしていたのだから。  遠隔操作したトラックに牛やら動物を乗せて、広い土地へゾンビどもをおびき寄せる。そして爆撃、爆撃。その繰り返し。残ったゾンビは、噛まれないよう全身金属のスーツを着て至近距離で殺しまくった。我々自衛隊の活躍は中々だったと思う。島国なことも幸いして、世界でも早く終息に向かうことが出来た。  しかし、まだまだ自衛隊の苦難は続く。山のようなゾンビの死体の片付け。街中のいたるところに転がっている。それが終わったら恐らく伝染病が始まるだろう。この不衛生な環境だ。あり得ないことではない。  そして何より我々を絶望させるのは他国への支援。ヨーロッパ、アフリカ諸国などなど、地続きの国は壊滅状態。各国から救援要請が来ている。 勘弁して欲しい。もうゾンビ退治はたくさんだ。 除隊願いは叶うだろうか。
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