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先程から風も雪も酷くなっている。
吹雪になりそうだ。
ここは草木も凍る一面銀世界。
踏みしめる大地は雪で覆われ、手先、足先はかじかみ痛く、芯まで痺れる。
「大丈夫だったか?」オレは倒れ込んでいた魔法使いアンバーに気遣い声を掛け、手を差し伸べた。
なまめかしいラメ入りの水着のような衣装を着、俯いていた美しく白い顔がこちらを見上げ、「平気よ。」とオレの手を掴み、立ち上がった。
オレの3つ上の彼女は苦労人で、その年齢よりずっと円熟し、体つきもむしゃぶりつきたくなる程セクシーだ。
お前らが画面で見るより数段エロいぞ。
「そんな事より、このコスチューム。マジ何とかしてほしい。何で寒い所でこんな布が少ないもん着なきゃなんないの?」
「プレイヤーの悪趣味のせいだろうな。いや、製作スタッフ側のせいか?」
ちらりと盗み見ると、しりもちを着いた手のひらとお尻には雪と泥が付き、冷たさで赤みを帯びていた。いや、プレイヤーのお陰で目の保養に…。
しかし、確かにこの下着みたいなのの、どこに防御力が74もあるというのだ?
オレはオフレコで暖かいコートを上から着せてやり、マフラーと手袋を渡した。
すると、後ろからマヌケ面の僧侶イバンがやってきた。
「あぁ、傷も負ってるね。ボクが回復魔法をかけてあげる。もうMPも少ないけどね。」
一番おいしい所を持っていきやがる。奴はオレと同い年。
ファハドは、筋肉バカで27歳のおっさん。傷やあざだらけだが全く気にも留めないようだ。でかいだけで頭は悪いが、戦闘能力は異様に高く、相手の気配だけで何体いるか、どういった奴らがいるかが瞬時でわかる。敵の急所を捉えるのも的確だ。
…確かに敵には回したくはないな。
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