白の虚構 ~RPG 勇者Sの場合~

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 さて。その前に、いい加減、現実的に休みたい。  そろそろこの町のホテルに泊まれるだろうか。  但し、目覚めたらすぐにまた戦いが始まってその神殿を目指すことになるのだろう。  まったく。  このプレイヤーは勇者遣いが荒く、何度全滅した事か。毒の沼にもガンガン入って、HPの少ない魔法使いのアンバーが倒れていてもお構いなしで進む事なんてザラだ。  またそれが始まるんだろうか。  考えると気が重い。  その時はホテルからリスタート。  そこがセーブポイントになっているからだ。  何度も繰り返すのはごめんだ。  そして、ようやくホテルにたどり着くと、前の村で聞いた程大したものではなかった。  確かに真っ白な建物で、前の村よりは数段ましだが、中は別に白い装飾な訳でもなく、いたって普通。思ったより狭い。勇者様が泊まるというのに。  フロントは愛想ないし、飯はうまくないし。  ただ、温泉が完備していたのだけは良かった!  だいたい、風呂の無い宿はこれまでかなり多かった。  制作側の怠慢だ。全く勇者に対する配慮に欠けている。けれど疲れた体にここの露天風呂は格別だ。グッジョブ。  ちなみに女子のいるパーティー。寝る時はどうしているんですか?  何て質問はご法度だぜ。  途中で手を出したらストーリーが変わっちまう。  だからこれもある意味結構拷問なんだぜ?
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