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時は江戸時代、年号を元和といった頃、尾張の国にとても優しいおじいさんが住んでいました。
愛情豊かでもあるおじいさんは飼い犬のポチを大変可愛がっていました。
或る日もおじいさんはポチと仲良く山登りしていますと、突然、ポチが吠え出しました。
「ここ掘れワンワン!ここ掘れワンワン!」
「ここ掘れって、ここを掘りゃあ、ええんかなも?」
ポチは頷きました。
おじいさんは言われた所を落ちていた枝や石を使って掘ってみますと、なんと黄金色に輝く金貨がざくざくと出てきました。
「こりゃあ、どえりゃあお宝だがや!ありがとうよ、ポチや!」
おじいさんはポチの頭を何遍も撫でてやりました。
この一部始終をおじいさん家の隣家に住むおばあさんは、偶々同じ山に来ていたので、「よし、わしもお宝に預かりたゃあでポチを山へ連れ出さないかんがね。」と思いながら傍観していました。
で、おばあさんは、明くる日、おじいさんに言いました。
「おみゃあさんよお、わしはポチと散歩したゃあけど、ええかなも?」
「ああ、ええがね。」
人のいいおじいさんは快くおばあさんの願いを聞き入れました。
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