一、復活

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   ライナス様をお守りください。  願いを掴まえた拳をカップに向けて開く。古くから伝わるおまじないだった。  再びカップを乗せたトレイを持って、その人の元へと向かう。  同じ態勢で考え事をしているのか、手の間から見える眉間にはしわが寄っていた。  コトッ  そっと置いたつもりが小さな音を立ててしまい、覆っていた手を外すその人。 「あぁ……ありがとう」  さっき掛けた声は聞こえていなかったようだ。  その音が紅茶を差し出されたことによるものだと気づいた彼は、ゆっくり視線を上げると少女へにっこりと微笑んだ。    神の微笑みとはあまりに極上で、美しさに思わず目を細めてしまう。
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