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彼の名は――ライナス。
何者かと一言でいうなれば〝二十四年前に復活した神の化身〟だ。
古くより神は、生死を繰り返してはヒトの姿をとって世界の様子を伺いに復活すると言い伝えられていた。
それを元に人々は神への信仰心を持ち、一生の支えとして祈り続けてきた。
その神が眠りについたのは、もうずいぶんと前になる。
聖書によれば、待ちわびた復活の時がちょうど二十四年前の今日だったらしい。
長い眠りから神が復活する。
人々は期待に胸を膨らませたが、一つ気にかかることもあった。
神といえども〝ヒトの姿を取って〟復活するのであれば、それは人間と見分けがつかないのではないかと。
しかし、そんな心配は無用に終わった。
「え、どうして知っているの?」
世界中の高位聖職者が集い復活の儀式を催していた最中のことだ。
突然響き渡ったその声に、静まり返る大聖堂。ちょうど説教をしていた最高位聖職者も話を止め、手に持っていた聖書が説教台へと倒れ、閉じてしまった。
「えぇ……と?」
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