君の家まで

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　ここからは蛇足。
　翌日、剛は会社に退職届けを提出して会社を辞めた。会社の人間はみんな驚いていた。剛が大胆な行動に出るなんて思いもしなかったからだ。
　絵梨香と両親も驚いていた。しかし、彼らはとても喜んでいた。
「仕事はどうするの？」と絵梨香に聞かれると「退職金がなくなったら考える」と答えた。しかし、金が尽きる前に絵梨香の父親の紹介で仕事につくことができた。それから剛は絵梨香に寄り添って過ごしていった。満ち足りた日々だった。
　ただ誤算があった。
　剛は八十二歳まで生きて、絵梨香は八十五歳まで生きた。さらに二人の子供をもうけて三人の孫の顔を見ることができた。
人生どうなるか最後までわからない。