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彩也香は、ソファーで精も根も尽き果てた様に、四肢を投げ出してた。 俺も息を整え、彼女の中に入っていた自身をズルリと引き抜き、コンドームを片付けようと立ち上がったら、身体中に鮮やかなキスマーク、左手首は赤くなり、乳首の回りに俺の唾液がテラテラと光っている、そんな彼女の姿が目に焼き付いた。 独占欲の表れ? 所有の印? 何にせよ抱き潰してしまった。 GW中に両家顔合わせの結納と入籍し、6月にはハネムーンを兼ねた海外挙式が決まってるとはいえ、今夜は初めて避妊具なしで抱いた。 言い訳はしない。 会社から一緒に帰宅し今に至るまで、彼女を抱きたい。愛してる。離れたくない。 それしか考えられなかった。 彩也香が退社準備するのを、出張の報告書作成と残務をしながら待っていた。 副部長に向かって 「お疲れ様です。お先失礼します」 と言う彼女の声が聞こえた瞬間、急いで片付け、後を追った。 受付近くで見つけた彼女の手首をとり、強く握りしめたまま黙々と帰路についた。 口を開けば、彼女を詰る言葉が出てしまいそうだ。 女性に対して、こんな強い執着や荒れ狂う様な気持ちを感じるなんて、ちょっと前の自分じゃ有り得ない。 自分の気持ちがフラットじゃ居られない。 顔には出さないが、相手の事に一喜一憂して心が振り回される感覚。 恋愛を避けていたのも、コレがあるからだ。
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