父と

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父と

中学三年に上がり、十五歳を迎えた私は誕生日という単語を使い、父にお金の交渉の為連絡をする。すると父は今日が誕生日だったんだと興味のなさそうな声で言い放った。私は一気に地獄に突き落とされた感覚になった。サアと全身の血が抜けていく。私の出産時に父の喜ばしい姿の写真がある。胸の内にあった面影がビリビリと刻み込むように消えていく。  そういえば、年末は小さい頃から親同士で喧嘩ばかりだった。そういえば、四人兄妹の中で私のアルバムだけ写真が幼稚園で止まっていた。そういえば、家族旅行って行ったことあったっけ、  そういえば、父の顔が思い出せないな。 思い出したくもない過去が溢れだしこの機を最後に父と呼ぶことは愚か連絡することはもうなかった。また、四つ上の兄もお金を父から貰っていなかった。憶測だが、私みたく嫌な思いをしたんだと痛感した。
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