32人が本棚に入れています
本棚に追加
「坂本よ、アレンと我の時の対応が違う…」
お茶を飲みながら、ポツリと魔王がいう。
坂本は苦笑いをしながら言った。
「魔王の場合は不審者そのものだったからね。アレンは魔王の使い魔だし、身元は魔王経由ではっきりしている。そうそう悪いことを…ああ、アレン!それは触っちゃダメ。火傷する!」
アレンはストーブの上にあるやかんを触ろうとするので間一髪で止める。
「…びっくりした、です…」
アレンは瞼をパチパチさせている。
「ごめんよ、火傷したら、治療法分からないから、慌てちゃって。むやみに触ったらダメだぞ」
「はい、分かりました。ん?誰か来たようですよ?坂本さま」
窓の近くにいるわけでもないのに、誰か来たと言うアレン。
え?と坂本が首を傾げると
「匂いで分かるのです」
そう言って玄関の方に飛んで行った。
後を追うように玄関に向かうと、ピンポーンとちょうどチャイムがなる。
「はい、どなたですか?」
「オレだよ、匠」
最初のコメントを投稿しよう!