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「匠にい?どうしたよ、こんな時間に」
扉を開けると、ウェーブのかかった黒髪に黒い瞳で黒のパーカーにボルドーのチノパンをはいたラフな服装の従兄弟が小さい女の子を、抱っこして立っていた。
「こんばんは。こんな時間にすまんな。叔母さんから家に野菜のお裾分けを取りに行ってくれって電話が、あって…おふくろからも電話が…断れないだろ?あの姉妹から頼まれると…」
「……う、確かに。悪いな」
「…プテちゃんのお友達?」
「え?」
女の子の視線をたどるとアレンがいた。
し、しまったぁ、いたの忘れていたぁ!
坂本が思うのにすでに遅し…。
なんてこったい!……ん?プテちゃん?
「ボクとは違う飛竜だよ」
ん?ん?アレンの声じゃない…。
どこから…。
キョロキョロする坂本。
アレンはグワァと威嚇しているつもりが小さいため、威嚇にならない。
「威嚇しなくても、争うつもりはないよ。ボク、プテラノドンのプテちゃんです」
声の方を向くと、どうやら女の子の抱いていたぬいぐるみだと思っていた、プテラノドンだった。
「え、え、え~!!」
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