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「ところで坂本よ、これはなんて苦い飲み物なのだ」
坂本が魔王を見ると、魔王が、手にしていたのはマグカップ。
それも坂本が愛用のプテちゃんのイラストが描かれているマグカップだ。
近づいてマグカップの中身を見るとブラックコーヒーだった。
「うちにはクリープがないから、ミルクをいれなよ」
冷蔵庫から牛乳を取りだし魔王に渡すと魔王は器用に牛乳をいれた。
「ウム。こうか?」
「ああ!!いれすぎたよ」
魔王はなみなみといれてしまったため、
もはやコーヒーというより、コーヒー牛乳に近い色になっている。
しかも、なみなみだから、かき混ぜることも出来ない…。
魔王はそんなことはお構いなしに、飲み干した。
「ウム、うまいな。これからはこうする」
ごちそうさまと言って流しにマグカップを置き、スポンジに台所洗剤を付け綺麗に洗うという、もはや魔王というより主婦だ。
「なあ、魔王…なんで魔王なのに、魔王らしくないんだ?」
朝食を食べながらそういうと、
「フォークで人を指すな」
と言われてしまう。
「あ、ごめん」
まるで、おふくろみたいだ。
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