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売店が入っている建物まではゆっくり歩いても2分とかからなかった。建物は直方体のブロックを横に置いたような直線的なフォルムで、ショッピングモールをひとまわりかふたまわり小さくしたような感じだ。
入り口の手前にはテーブルとパラソルが広がり、売店で買った物を食べてくつろぐ為のスペースになっている。
「よっ、早川さん達!」
「あ、やっほー」
クラスメイトの加藤さんに声を掛けられた。このオープンスペースは我が校の生徒達であふれかえっていて、彼女はバニラ味のソフトクリームを舐めながら他のクラスメイト達と話していた。その光景を見ると、「うちの学校にもこんなカフェテリアがあったら……」なんて想像をしてしまう。
「早川さん達も早くここ来て座りなよー!」
「ありがとう! でも、レイネここ来るの初めてなんで、ゆっくり中をみたいっぽいんだ。私も一緒に案内してくるよ」
「あっ、そうなんだ、残念」
ありがたいお誘いを丁重に断って、建物の中へと進んだ。
自動ドアの先はエアコンが効いていて涼しく、入り口付近はLEDで照らされながらも、外の眩しさから避難するのにちょうどいい暗さに保たれ、何とも言えない安らぎを与えてくれる。商業施設でありながら、ミュージアムのように落ち着いた雰囲気があるのは、何気にポイントが高いと個人的には思っている。
「レイネもソフトクリーム食べる?」
「いや、美味しそうではあるが今はいい」
食べる事よりも建物内の構造の方に興味があるのか、彼女は天井や壁を熱心に見回しながら進んでいた。
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