新米パーティ、浜を征く?

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新米パーティ、浜を征く?

「ここの海もまた良い物だな」 「うん」 レイネと会話を続けながら、少しずつ波打ち際へと歩いてゆく。海に近づく毎に潮の香りが濃くなってゆくのを感じる。 「近場の海とは、また趣が異なるのだな。いずれにしても興味深い」 「そうだね」 彼女は目も眩むばかりの水面のギラつきを物ともせず、悠然と海を眺めていた。 そんな彼女を見て思ったのは、本当に海が好きなんだと言う事。連休中、「海が見たい」という彼女の要望で、自転車に乗って自宅近くの海岸に足を運んだし、別の日には電車に乗って港にも行った。カミナリ様と言えば雲の上に住んでいるのだから、海なんていくらでも見る事が出来たと思うのだけれど、彼女曰く、「地上で見る海は格別」との事。私からしたら、空から見下ろす方がよっぽど雄大で感動的じゃないかと思うけれどな。 スタート地点という事もあり、浜辺には生徒達が多く集まり、我が校のプライベートビーチのような雰囲気を醸し出していた。 強い日差しの中で元気よくスタートダッシュを切る男子生徒がいる一方で、波打ち際に描いた文字が消えてゆく様をのんびりと眺めている子もいたりと、楽しみ方は人それぞれだ。 腕時計を確認すると、針は午前10時前を差していた。さあ、私達は何時間でゴール出来るだろうか。レイネはダラダラ歩くタイプでは無いが、見たい物が山ほどあるだろうから、そろそろ出発した方がいいだろう。 まずは、一緒に行動するメンバーを集めよう。周りは我が校の生徒と先生だらけなので、1人や2人で歩いていても寂しくはならないとは思うけれど、近くに仲間がいた方が安心だ。
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