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一番違いが良く分かったのは水面で、フィルターを着けていない時は白くギラギラと光っているが、着けると水の中の魚や草まで写す事が出来る。カメラって、私が思っているよりもだいぶ奥が深いんだなあ。
「みんなの写真も撮るから、いいのが出来たら送るね」
「ありがとう。あっ、森田さん、あそこに鳩の群れがいるよ」
「ホントだ! ごめん、早川さん。撮ってもいい?」
「いいよ」
森田さんは少し先の波打ち際に集まった鳩の大群を写す為、彼らを刺激しないよう忍び足で近づいていった。ところが、
「おらおらー!」
千佳ちゃんが群れに突撃してきて、驚いた鳩達は四方八方散り散りに飛び立ってしまった。
「あっ、散っちゃう! 逃げないで!」
森田さんは、群れの形を少しでも写真に収めるべく「ピピッ、パシパシパシパシ……」と手の中で鳥が羽ばたくかのような連射モードを駆使して撮影した。
「あはは、面白ーい! ねえ、上手く撮れたかな? 題して『鳩とたわむれるアイドル』!」
「もう、千佳ちゃんはー!」
「無粋だな」
こんな迷惑なアイドルは嫌だ。彼女は自分のしでかした事の重大さに気づかず、のんきに自分カワイイアピールをしにやって来たのだ。
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